那智の滝とヤタガラス 正月歴史探訪 その参
2008年 01月 15日
深い山のなかに突如として現れた熊野大社。古くから修験者の聖地として開けていたこともあり、美しい造形美と大いなる自然が見事に共存して、洗練された都のように感じました。聖なる山のエネルギーを思いきり吸い込みました。合掌。
修験道の開祖と呼ばれ、忍術とも関わり深いとされる役小角(えんのおづの)は仏教伝来の頃、孔雀明王の術を学び、数々の妖術をつかい、鬼までつかったといわれていますが、彼は那智の滝で修行をしたといいます。
熊野の地は、天孫族の神武天皇勢力が九州地方からやってくる際、八咫烏(ヤタガラス)の姿をした鴨族の始祖、賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)が熊野の地まで案内したと日本書紀には書かれています。大和朝廷を建国するのに協力したということのようです。鴨氏は、出雲族と関係が深いとされ、大和という国家ができあがる前から住んでいたらしく、鴨族というだけで全国にたくさんその史跡があるので、きっと同じ鴨でもいろいろな部族に分かれていたのでしょう。
天武天皇のスパイ御色多由也も鴨族で、その頃から、火や毒薬を操る忍者らしきことをやっていたようです。いったい、この忍術はどこから始まったのか。それは日本列島ではなく、朝鮮半島、中国大陸、そしてシルクロードを越えてはるか中東やインドの歴史とも関わってきそうです。
by miomatsuda
| 2008-01-15 22:52
| ◆日々雑感/Notes