ブログ始めました。
2006年 12月 12日
書きたい事が山程ありますが、まずは11月22日に発売されたセカンドアルバムについて。
「ピタンガ!」というタイトルはセカンドアルバムを創ると決まったときから頭にありました。アフリカの旧ポルトガル植民地アンゴラ出身の歌手でWaldemar Bastosという人がいますが、彼とリスボンで会い、いろいろな話をしていた時に、この「ピタンガ」という言葉を聞きました。なんて可愛い名前だろう、と思ったと同時に、ずっと戦争で疲弊した祖国に向けて人間性の貴さを歌ってきた人が曲のタイトルにするとは、とても大切な意味があるに違いないと思いました。それから、アフリカの文化が色濃く残るブラジルのバイーアに行って、その果実と葉の感動的な意味を知ることとなりました。それは、ズバリ「幸せ」。ピタンガとは、もともとブラジル先住民のトゥピ族の言葉で「赤い実」を意味しています。ブラジル原産で、きっと大航海時代にポルトガル人によってアフリカまで運ばれたのでしょう。ピタンガの葉は、バイ−アではクリスマスと年末年始、街中に飾られ、岩塩と一緒に様々な儀式で使われます。葉をちぎってこすってみると、すごくいい香りがします。(香りにも色にも女性ホルモンを活性化させる作用もあるらしい!)今回のアルバムは、ブラジル北東部のリズムを多彩に入れて、聞く人がハッピーに踊れるようなアルバムにしたいと思ったので、やっぱりタイトルはピタンガだ!と思いました。
ところで、念願の果実を食べたのはリオ郊外のバルジェン・グランヂのお宅。たわわに実ったピタンゲイラ(ピタンガの木)からあの燃えるような赤い実を食べたときの感動は忘れられません。甘酸っぱくて、仄かな苦味があって。ブラジル人にとってピタンガの実を食べるという行為はどこか幼少時代の思い出と重なるよう。私も小さい頃、グミを摘んでは食べながら学校に行っていました。それと似ているのかな。アンゴラの友達もやっぱりアンゴラでピタンガをもいでは食べ食べ学校に行っていたらしい。とりあえずピタンガはなんだかちっちゃな幸せをくれる魔法の実だったよう。
そんな幸せがちょっとでも伝わったらいいな、と願いながら・・。ぜひ聴いてみてくださいね! そして、北東部の言葉がたくさん出てくる歌詩や、バイアォン、ショッチ、マラカトゥ、コーコなどリズムもお楽しみ下さい。ピタンガが香りますように。
燃える赤い実、ピタンガ!