海の女神の祝祭
2016年 02月 01日
2月2日は、ブラジルでは海の女神イエマンジャーの祝祭日。
バイーア州サルヴァドールのRio Vermelhoでは、海辺に白い衣装のたくさんの人たちが明け方から集まり、花や鏡、歌、踊り、女神に捧げる美しいプレゼントを持ち寄る。海辺に響くのはカンドンブレの太鼓が刻む8分の6拍子のイエマンジャーのリズム。
2012年は私もここにいた。海に白い薔薇を投げ入れたとき、涙が出た。人はみな海から生まれ、海と奥底でつながっている。女神の祝祭は、血のなかにある海の記憶をよびさます。
そして・・・・
今年の2月2日は寒い東京にいるけれど、女神の祝祭日を機に、どこかでふわりと口ずさむ歌の動画シリーズを始めることにしました。
"Canto"はポルトガル語で「歌」そして「居場所」を意味する言葉です。
"Em Todo o CANTO"で、すべての歌=場所で、というようなイメージ。
いろいろな場所で、いろいろな歌を聴いてもらえますように。
まず最初は、イエマンジャーに贈りたい歌を歌ってみました。
バイーアの海辺の詩人、ドリヴァル・カイミの歌。海の女神とこれほど相思相愛の人はいないでしょう。
1回目は、"Quem vem pra beira do mar"「海に来る者」。
海に来る者は、もう帰りたくなくなる。
これまで旅をしてきた、海の道を。ジャナイーナ(イエマンジャーの別称)の水の上を。
海の波が運んでは、また連れ戻す。
海辺に来た者は、もう二度と帰りたくなくなる・・・。
そんな歌です。
「クレオールな夜」で歌っていますので、ぜひ、ライブでも聴いてくださいね。
ドリヴァル・カイミ『海に来る者は』
松田美緒 うた 山口亮志 12弦ギター
撮影 Adeyto
by miomatsuda
| 2016-02-01 02:23