日本のうた、宮城へ行ってきました。
2012年 12月 20日
たくさんのあたたかい反応をいただいて、本当に行ってよかったと思えるライブ2日間でした。ご来場のみなさん、ご協力いただいた皆さん、ありがとうございました!
祖谷のうた、伊王島のキリシタンソング、瀬戸とバイーアの海の歌。現地に行って現地の方とお話ししたり、空気を感じたことで、もっと自分のなかに入ってきた歌たち、聴いていただけて嬉しかった。
そして、今回のテーマ、ブラジルの日系コロニアの歌。仙台も白石のライブも、実はブラジルつながり。ちょっと、コロニアの演目「移民語り」「移民節」について。
仙台ライブを一緒に企画してくれた大槻ヴァレリアさんにはサンパウロで歌探しのとき、一緒に回ってくれ、そして、彼女のお宅のとても大切なLPを私に託してくれました。
このLP「平野運平一代記」は、ブラジルの大地をコロニアを転々として芝居を届けていた大衆演劇一座の座長さんが、コロニア(居住地)を築いた平野運平氏の苦難の話を浄瑠璃で語ったもの。
これを彼女の親戚が集まると必ず聴いては、皆で涙していたそうです。彼女は日本語と浄瑠璃のセリフ回しで語られる話の意味がわからなかったけれど、皆が泣いている姿が心に深く残っていたそうです。
このLPのプロローグは、移民船が日本を出て香港、シンガポールやインド洋からケープタウンを経て、大西洋を航海し、リオデジャネイロに一泊してからサントスの港に着く様子を生き生きと描いています。演目の「移民語り」では、その部分を朗読しています。
それから続く「移民節」は、サンパウロで読んだ「コロニア芸能誌」に載っていた歌詞に感動し、音源をさがしてもみつからず、日本に戻ってからもとの民謡の旋律を見つけて、再現したもの。「ドラよ、汽笛よ、移民船」で、移民の方が日本を出て、たび重なる苦労の末に、家族をつくって、「移民老いつつうたかたの消えてこの地の土となる」という心境まで歌ったもの。コロニアのいろんな映像がうごいてみえるような、鶴来さんのピアノソロ毎回すごく楽しみなのだ!
コロニアの歌には日本の民謡も。民謡歌手の久保幸恵さんが現地のバンドと素晴らしいアレンジで「炭坑節」(サンバ)「五木の子守唄」などを録音した音源をいただいて、レパートリーに。日本のとは歌詞が違っていて、コロニアのダイナミックな大地の暮らし、歴史、ポルトガル語が混じったクレオールな歌詞がとても魅力的です。
炭坑節は、「宵のベランダの月明かり」ではじまる。
なんといっても、想像をはるかに超える苦労があった生活の中から生まれる希望と生命力が、今の日本の私たちに深いエネルギーを伝えてくれる!そう信じています。
それにしても、一曲一曲なんて深く壮大なドラマがあるんだろう!日本のうた一つ一つに、知られざるストーリーがたくさんあるのです。私はそれをすくいとっていきたい。歌に宿る人生万歳、なのだ。
白石ミルトンでは、三味線奏者の小野越郎さんが入ってくれて、熱いセッションになった!!またやろう、と盛り上がって、ミルトンをあとにしたのが明け方3時半。ミルトンママとマスターと熱く語り合っていました。震災後、白石はとても大変だけど、心に喜びをとどける場所ミルトンは健在でした。
ミルトンの壁にお絵描きサイン。
オフショットシリーズ!
ヴァレリアさんのフェジョアーダは最高だよ!一緒に行くミュージシャンの皆さんはみんな、喜びにうなる。亮さんも感動。
ミルトンのライブの前には、温泉に!秘湯でした。ぽかぽかあったまって、盛り上がった!
雰囲気いい吊り橋。
ミルトンライブの翌日は、仙台市内の仮設住宅でライブ。渡辺亮さんとやっている多角的多次元的プロジェクトCHAMADA(シャマーダ)。歌とパーカッション、そして絵。この日は、皆さんも一緒に絵を描く、その時にしかできない作品。
そして、日本のうたは視覚的にもひろがっていきます。
おしながきは、毎回、画伯である渡辺亮さんが、歌の背景をふまえてとても素敵に描いてくれてます。ジャーン、仙台のときのはこれ。
そして、来年の1/24CAYライブには、「イラストの歌」として、フライヤーにも書き下ろしてくれました。そちらもお楽しみに!
・・・・・そして
今、私は、秋田県で、あたらしい歌をさがしています。またまた、素敵な声、旋律、詩に出会っています。
日本は深い!雪も深い!
どうぞ、次回もご期待ください。