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まず、3月11日から続くこの東日本大震災で、被災された方々に、心からお見舞い申し上げます。

1ヶ月3週間の南米滞在を終えて帰国しました。

アルゼンチンにいる時にニュースを見て、悶々とする日々をすごしました。
ブログを書くだけの心の落ち着きもなく、インターネットで流れる情報の何を信じていいのか、自分には何ができるのか、生きるってどういうことなのか、そういうことを考えながら、いっそう音楽にのめりこまずにはいられませんでした。

ウルグアイ、アルゼンチン、チリ、ペルー、会った人みんなが日本へのシンパシーを伝えてくれ、気遣ってくれました。人と人の助け合いの気持ち"Solidariedad"の大切さ、重みをこれほどまで感じたことはありませんでした。

ウルグアイでは、ウーゴ・ファトルーソが、日本の人たちのために演奏してくれました。
http://www.youtube.com/watch?v=xJdq3515LhQ

去年の南米ツアーで出会ったアーティストたちとの美しい瞬間を形に残しておきたいと思って企画した録音セッションの一日目の朝に震災が起こりました。それからというもの、ウルグアイ、アルゼンチン、チリで、旅中ずっと録音し続けました。

ウーゴ・ファトルーソ、カルロス・アギーレ、レイ・タンボール、オラシオ・ブルゴス、ニコラス・イバルブル、ウルバノ・モラエス、フランチェスカ・アンカローラたちが各地の録音セッションにきてくれました。彼らといろいろな思いで「今」を刻んでおきたかったのです。いつか、世に送り出したいと思っています。

チリに着き、去年TRANS-CRIOLLAで共演してからとても親しくなった歌手フランチェスカ・アンカローラと一緒に日本との団結コンサートをしました。東北の子守唄「ねんにゃこころちゃこ」、武満徹の「翼」、ビクトル・ハラやビオレッタ・パラの曲などをフランチェスカそしてチリの弦楽器奏者アントニオ・レストルッチとチッコリア・フアン・サンチェスとともに贈り、最後は、黒澤明「生きる」の主題歌でもある「ゴンドラの歌」のコーラスを皆で合唱しました。

太平洋の向こう側で、日本と同じ海を見ているのだと思うと感慨深く、私たちはこんなに離れているのに、同じ波が行き来する太洋の一部なのだということを、日本の港にいるような色の海に沈む夕陽を見ながら、思わずにはいられませんでした。

コンサートでは、昨年大地震で多くの人が犠牲になったチリの人たちが、日本のために祈ってくれ、募金をしてくれました。(大使館経由で義援金として送らせていただきました。)

もうもとには戻れない。
東北のたくさんの人たちのエピソードを見たり聞いたり、語られない物語を思うたびに、言葉がありません。

その一方、人の命を人が奪うという戦争はなんてばかばかしいものだろうとあらためて思います。原爆のこともあらためて思わずにはいられません。

きっと多くの人にとって、自分にとっても、何を大切にして生きていくか、どんなふうに日本に世界に参加するか、それを突きつけられる出来事のはずです。
今起こっていることは、みんな私たちの課題なのだと思います。「モノ」やお金、権威よりも、精神、心、愛情がもっと大切になるべき時代がやってくるのだと思います。

スピリチュアル系とかいう流行ではなく、真の意味で、魂の根源に触れて支え合うときなのだと思います・・・。よりいっそうその鏡である音楽に、真摯に向き合っていこうと思いました。

被災された方々が少しでも楽になれますよう、原発の状況がこれ以上悪くならないよう、組織より人間の命と生活が大切にされるよう、大地が静まるよう、毎日思いをむけていたいと思います。小さくても、自分のできることを続けていきたいと思います。



by miomatsuda | 2011-04-04 06:06 | ◆日々雑感/Notes

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