松田 美緒のオフィシャル・ブログ MIO MATSUDA's official blog
by miomatsuda
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2007年大晦日
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 1年が終わり、また新しい一年が始まろうとしています。
 今年は思いがけなくいろいろな経験ができた充実した一年でした。
 今年の始めに2枚目のアルバム「ピタンガ!」のCD発売記念ライブをしました。
 そして、ブラジル、アルゼンチン滞在。ジョアン・リラ、クリストーヴァン・バストスとのレコーディング。巨匠二人の日常の会話からも音楽の真髄、ブラジルの魅力が聴こえてきました。そんな"Convivio"(共存、というか一緒に時間を共有すること)ができて本当に幸せです。
 CD「アザス」リリース、ジョアン・リラとのツアー。ジョアンという人と一緒に歌うことは、自由に弾んで飛び立つような心地であり、同時に自分を試されるときでもありました。ブラジル音楽への造詣の深さや音楽性、魂をぶつけること・・・・。挑戦させられました。一言では言えないけれど、歌手として成長させられる1ヶ月でした。そして、そのツアーのためにたくさんの方々に支えていただきました。全国で新しい出会いがありました。どれもが貴重な宝物です。
 そして今年は鼓童から始まり、クラシックギターの大萩康司さんまで、ジャンルを超えて素晴らしい共演者の皆さんに恵まれました。来年も素敵な人たちと、多彩な歌を歌っていきたいと思っています。
 応援してくださっているファンの皆様、よき理解者の皆様、心からありがとうございます。
 
 これから、野崎観音に歌いにまいります。インドから伝わったといわれる観音様のもとで、新年初の歌を大きな口をあけて歌ってきます!

 良いお年を!!
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by miomatsuda | 2007-12-31 17:48 | ◆日々雑感/Notes | Comments(0)
今年最後のお仕事
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昨日は大萩康司さんのSTBコンサートに出演させていただきました。美しい音を浴びながら、ヴィラ・ロボス、ジスモンチ、武満徹作品をおおくりしました。 
こんな素敵な共演で今年を締めくくることができて、とても嬉しいです。

 ジスモンチの「Agua e Vinho」は、前々から大萩さんと一緒にやろうと言っていた曲です。スケールが大きく、メロディーも詩も美しいし、当初やりたいと思っていたイメージが形になった感じで、嬉しかったー。
 新作Asasの、武満徹作品は、ブラジルに行く前に、大萩さんに巡りあわせてもらったようなもの。今回、一緒に出来てとても嬉しいです。
 ソロ2曲の間に歌ったのはキューバの子守唄で知られる「Durme Negrita」です。
そして、ヴィラ・ロボスのバッハ風アリア、これはチェロの翠川さんと一緒に歌ったのが始まりでした。ソプラノの声はやめて、1オクターブ下で歌詞を大切に歌いました。最後にはヴィラ・ロボスの「田舎の列車」で皆さんにも歌っていただきました。
 
 クラシックの曲を自分なりの発想で歌うのはとてもおもしろい挑戦です。実は昔からクラシックと土着の音楽が混ざり合ったような曲を好む傾向があるので、このコラボレーションはまさに、ツボ刺激状態。ヴィラ・ロボスの小曲はこれからもどんどん歌っていきたいと思っています。 
 
 大萩さんとのジャンルを超えたコラボはとてもとても楽しく、これからも新たなレパートリーを考えようね、と盛り上がりました。
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by miomatsuda | 2007-12-30 23:59 | ◆日々雑感/Notes | Comments(2)
クロシオーン 
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 聖夜にご来場ありがとうございました!

 クリスマスイブにとうとうやってしまいました。クロシオン。親指ピアノ(イリンバ)の名人サカキマンゴー(マンゴン)と山田裕(ヤーソン)と私、美音でお送りする新ユニット。
曲もアレンジもいつもとぜんぜん違うので、セットリストを載せます。

ゴンドラの歌 
浜ヘ(サカキマンゴー 作)鹿児島弁
宝貝(琉球風クロシオンオリジナル) 日本語
Sawaswati Devi(スリランカ) シンハラ語
峠で (原曲、インドネシア "Tonggeret") 佐賀弁 
マンゴン ソロ 
旅人のショッチ(松田美緒 作) 日本語
カラス(サカキマンゴー 作)日本語
弓張月 (サカキマンゴー 作)日本語
時 (松田美緒 作) 日本語
Saiko (カーボヴェルデ)クレオール語・日本語
アンコール:
M'hepo(タンザニア)

 昨日は4時から、梅田のジュージヤでインストアライブをやって、"Asas"とのあまりの違いに思わず戸惑ってしまった・・。
 それから本番。燃えました。
 私にとってこんなに方言含めて日本語ばかり歌うライブは、高校生以来かもしれない!日本語なんだけど味わい深く、海の向こうを見つめているような(もしくは海の向うからこっちを見つめているような)スケール広いマンゴンの歌たちを歌えて、幸せです。彼のようにいろいろな国の音楽を旅をするように、「身体から」楽しんでできる人はなかなかいないでしょう。
 「峠で」について。
 私が学生時代、来日中のインドネシアのガムラン隊に感動して、いい歌手のCDを教えて、といったらIdjah Hadidjahを教えてくれて、さっそくCDショップで取り寄せてもらいました。
 
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こんなCD。ジャイポンガンというインドネシア農村の音楽です。
 これの1曲目"Tonggeret"にすごくハマって、いつも聴いて真似していたのですが、それがなんと、マンゴンがリハの時に「これ聴いて」と持って来た曲と同じだったのです!それはやらなくては、と日本語に聴こえる部分を大切に、歌詞をつけました。ジャイポンガンならぬ、ジャポンガン。ジャイポンガンは気持ちいい音楽で、原風景ともいえる農村の感覚を呼び起こしてくれます。
 
 こんなに高音キーで歌うのも、クロシオンならでは。これからどんどん練っていきたいです。
 まだ次のライブは決まっていませんが、また見たいという方、私やマンゴー氏をつついてください。
 残された今年のライブはあと二つ。大萩康司君のコンサートへのゲスト参加、そして、野崎観音の年越しライブ。ひとつひとつ体当たりです!
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by miomatsuda | 2007-12-25 12:15 | ◆日々雑感/Notes | Comments(1)
一時帰宅
 怒涛の東京・千葉ライブの1週間がひとまず終わり、京都に帰ってきました。ポルトガル大使公邸からインエフ、きららホール、そしてプラッサオンゼ。毎日リハやらなんやらで、止まることのない1週間でした。それでも、美しい音が満ちる充実した日々でした。

 昨日は、プラッサ・オンゼでの今年最後のライブ。楽団があまりに美しく枯れた音を奏でるので、「Orchestra Quarta-feira de Cinza」(灰の水曜日楽団)と即興で命名してしまったほど。S&A氏があまり嬉しそうじゃなかったので、やめときましょう。カーニヴァル最終日の水曜日は、もの哀しくも感動的な日なのだけど・・。クリスマスということもあり、クララ・ヌネスが歌っていた"Menino Deus"を歌いました。そして、ジョビンのTema de amor da Gabrielaにも挑戦。名曲は尽きない・・。福和さんが入ってくれたので、ジョアンのCoco da Canoaやオラソンもやりました。
 しかし!昨日は音に集中しすぎて、話が本当にこんがらがってしまった。右脳と左脳全開で歌った後、言語障害のようになってしまう。(これはあるドクターに科学的に証明していただいた!(自慢!?))できるならば、下手な話より心をこめた歌を聴いてほしいと思い、余計にからまる糸(意図)。話がおかしいのに今頃気がついたのかいと言われたので、これを機になんとかしよう、と思いました。
 それでも、素晴らしい楽団の音に包まれて、とても美しい瞬間があったと思う。ヴァイオリンの有希ちゃんとデュオパートはいつも本当に気持ちいい。この楽団と生音でホールコンサートをしたいな!ジョビンの曲やサンバ・カンソン大放出!
 毎回、新しいライブのイメージが出てくるけれど、これは本当に一つ一つのユニットがとても素敵だからなのです。

 寒い雨の日に、来てくださった皆様、心からありがとうございました。素敵なクリスマスと、よいお年を!

 明日はいよいよ、クロシオンです!インドネシアのジャイポンガンならぬジャポンガン歌います。
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by miomatsuda | 2007-12-23 21:39 | ◆日々雑感/Notes | Comments(0)
黒京と。
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今日は、船橋きららホールで、黒田京子さんとデュオ。
初めてのピアノとの完全デュオライブだった。それが黒田さんとだなんて、贅沢な話!?
なんて心地いい音の世界、終わってからもしばらく酔っていた。どんな歌もストーリーができてしまう。演劇的空間にいた。
初公開のオリジナル曲「時」や即興「こんぺいとう」あり。
これからたくさん黒田さんと一緒に歌っていきたい。なんて幸せ。
楽屋で女性だけというのも初めてでいいなあ。(男性の方々、ごめんなさい)
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by miomatsuda | 2007-12-21 01:07 | ◆日々雑感/Notes | Comments(0)
ファディスタ→即興歌
  昨日は、ポルトガル大使公邸で行われたロドリゲス賞授与式に呼んでいただき、ファドを歌ってきました。
 ポルトガル大使が「Mioはファディスタですが、cantora lusofona(ポルトガル語圏の歌手)でもあります」と紹介してくださいました。しかもリスボン出身でファドには詳しい大使はそのまま曲目まできちんと説明してくださり、笹子重治さんと完全生音で5曲。あんなふうにファドをファドらしく最近やっていなかったので、リスボンの熱い夜が体に戻ってきた。もう少しやりたかったなあ。
 
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(南蛮屏風と鉄砲と笹子さん)
笹子さんはそれにしてもファドがぴったり。あんなに少ない和音の曲に少し飾りを入れながらもファド本来の味を出せるのはさすが。イメージも見えたし、これから生音ファドのライブやっていきたい!と久々に思いました。
 
 それから、電車を乗り継ぎ、180度違う世界へ。In Fで鬼怒無月さんと渡辺薫さんと即興セッション。ファドの後だったので、コブシがよくまわりました。
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 渡辺薫さんとは8月以来でした。鬼怒さんとは9月以来。またまた楽しかった!
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by miomatsuda | 2007-12-19 12:16 | ◆日々雑感/Notes | Comments(0)
鼓舞
 今日は、鼓童12月公演「越境」にご招待いただき、厚生年金会館に行ってきた。
「越境」という名のもとに組まれた演出はとても斬新で、私と同年代の鼓童メンバーの皆さんの溌剌とした素顔や、はっとするような新たな面が引き出されていて、とても魅力的だった。それにしても、鍛え抜かれた技術と、とことん太鼓とつきあってきた皆さんの表現の幅はすごいなあ、と感じ入ってしまった。太鼓だけで、怒涛のように鳴り響いたり、すすり泣いたり、波打ったり、話したり、笑ったり、表現がここまでできるのか・・。「越境」というだけあって、新たな試みがたくさん。紅色の時広衣装をまとった小島千絵子さんの太鼓打ちはぞくっとするくらい官能的でもあり、舞踏が加わった「モノクローム」では今までにない心理表現がなされていた。
 そして、今回は、私と同い年の石塚充さんがクライマックスの大太鼓を叩いた。途中で何かが乗り移ったかのように叩き始める彼と、太鼓に鍛えられた肉体の動きを見て、なんて素晴らしい挑戦をしているんだろう、と感動した。まったくの想像だけど、大太鼓を打つ人は、太鼓に身体を造られ、毎日太鼓に向かい、太鼓が自分の呼びかけに応えてくれるまで呼び続け、魂と身体と太鼓が一体化していくのだろうか。そして、その鍛えられた身体をさらし、ただ一心に太鼓と向かい合っている・・。舞台の上で、観客の前で、少しずつ、自らの魂を解き放つそんな場所に居合わせた気がした。これからどんどん挑戦を重ねていくんだろうな。
 脱線するかもしれないが、私が大学生の頃ファドに弾かれたのも、そういうところだったかもしれない。じっと目を瞑り歌と向き合い、感情を解き放ち、かつ感情から解き放たれる瞬間がファドだと思っていた。フリージャズのサックスの人がそういうふうに吹いているのを見て、それも同じことだと感じてもいた。アマリア・ロドリゲスも「ファドは形ではなく、起こるもの。感じるものだ」そう言っていた。そんなことを思い出した。
 堀つばささんの「魁華」も、いつ見てもすごい挑戦だと思う。一度落ちて大怪我したというのに、一回ごとに身体を張って演じている。それを見て、私も何か身体を張らなくては、と思ってしまった。そのくらいの気持ちで挑戦しなくては!そう、つばささんに言ったら、「うーん、歌手は違う意味で身体張ってるもんね。まずは、身体出してみたら!!(笑)」と言われた。そ、そ、そうかあ・・・(笑)!それも考えてみよう。一度、佐渡の鼓童村で、研修生の人たちに混じってトレーニングをさせてもらおうかと本気で考えている。
 すがすがしい挑戦を見て、とても刺激を受けた。そして、懐かしい皆さんに会えて嬉しかった!
 また写真撮るの忘れたよ・・・。
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by miomatsuda | 2007-12-16 22:32 | ◆日々雑感/Notes | Comments(0)
鼓童・アースセレブレーションのこと
 ブラジルから7月末に帰国し、今年一番の大仕事となった鼓童のアースセレブレーション出演。あまりに感動が大きすぎて一筋縄では書ききれない思いがあって、時間がたってしまった。1月3日にBS2でそのドキュメンタリーが放映されるので、その前に一筆。
 鼓童の皆さんと初めてお会いしたのは、リスボンでのことだった。とあるお方から、鼓童がポルトガルに行くので、どこかおもしろいところに連れて行って欲しいと言われ、喜んで下町のカーザ・ド・ファドにお連れした。その夜は、ポルトガル生活で一番印象に残るくらい楽しい夜で、大太鼓の藤本さんがアルファーマの小さな店バイウーカで、「貝殻節」を歌ってくれたり、アルジェンティーナ・サントスという大御所のファディスタの店で、じっとしていられない鼓童ドラマーたちが皿を叩き始めたり、と本当に素敵な夜だった。はしごにはしごを重ねて、明け方4時にまだバイロ・アルトにいたのを覚えている。
 
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(2004年バイウーカで貝殻節を歌う藤本さん)

 そんなふうに素敵な出会いをした鼓童の皆さんと、まさか共演できる日が来るなんて、思ってもいなかったけれど、佐渡島に遊びに行ったり、日系アメリカ人で笛奏者の渡辺薫さんとライブをしたり、音楽や世界のことを話し合ったりしていたのが、今回の素晴らしい共演へつながった。お客さんは少なかったけれど、ものすごく密度の濃かったライブをしたのが、きっかけになったのかもしれない。
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(演出を手がけたKaoru Watanabe)

 アースセレブレーションは、今年で20周年を迎えた。山下洋輔さんはもちろん、ジョヴァンニ・イダルゴ、ザキール・フセイン、タマンゴ(タップダンス)なんて凄い人たちが出演。私はその話が来たときから、心の準備を始めていた。まず、今回のECの演出をした薫さんと構成のことを話し合ったり、(彼のセンスは本当に素晴らしいのだ)曲目を決めたりする作業を、ブラジルにいるときから始めた。彼が「フィナーレでボッサノヴァを1曲山下さんとデュオで」と言ったとき、フィナーレを飾るべき強い普遍性とメッセージ性を持ったボッサノヴァの名曲は、ジョビンの"Se Todos Fossem Iguais A Voce"(すべての人があなたのようだったら)以外に浮かばなかった。事実、そうなった!鼓童のフィナーレをジョビンの名曲が飾ったのだ。
 そして、1曲太鼓と歌だけで、カーニヴァルのような明るいテンポの曲を、と言われたので、「マラカトゥ」がいいと思った。実は、鼓童を初めて聴いてから、レシフェのカーニヴァルに行って、日本の太鼓とマラカトゥはすごく合う、と確信したからだ。特に、あのアルファイアに和太鼓の低音が当たれば・・。自分自身それを聴いてみたかったので音源を送ると、薫君はすでにそれをもう持っていた。さすがだ。しかも、鼓童は、アイルト・モレイラにひととおりリズムを習っていた。堀つばささんがアレンジしてくれることになった。ちょうどブラジルにいたので、ジョアン・リラに新しいマラカトゥを作ってくれないか、と頼んだら、それから数日後インスピレーションにまかせて美しい曲"Resplendor"を作ってくれた!この曲に、私が佐渡でポルトガル語の詩をつけた。
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(旅館・花の木から見える田園風景)
 佐渡島で過ごした1週間は、まるで3か月分くらいの密度濃い時間で、今までの人生の大事件のひとつだった。旅館「花の木」の玄関を開けた瞬間、そこに居るザキール・フセインとジョヴァンニ・イダルゴを見て、気絶するかと思った。本当だ、本当だったんだ!平静を装いながらも、感激で声も出ない私に、ザキールが「あなたがMioさんですか、私はザキール・フセインという者です」と丁重に優しく声をかけてくれ、ジョヴァンニが「君がMioかい!すごく楽しみにしていたよ!僕はジョヴァンニ!」と親しげに挨拶をしてくれた。ドキドキしながらも、すぐに打ち解けて、超ラテンで話の長い天然、天才のジョヴァンニの極めてスムーズな合図で、リハーサルが始まった。何を歌うんだい、というからジョビンの曲を歌うと、「じゃあ、ここから僕が入るからね」とちゃぶ台を叩き始めた。そこに、仏領ギネア出身のタップダンサー、タマンゴがもうひとつリズムを箸で刻み始め、ついにザキール・フセインも。こんなことが毎朝、朝食の席で行われて、緊張なんてまったく溶けてしまった。
 なんて幸せなんだろう、歌手としても感動するけれど、こんなすごい3人が箸で皿を演奏するところに居合わせるなんてなかなかないだろう・・(しかもすごい複合リズム)。部屋に戻ると、隣の部屋からは世にも美しいインドの弦楽器サーランギの音が響き、思わず練習中のディルシャード・カーンの部屋を訪ねてしまったほどだ。
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(ジョヴァンニ!)
 毎日、「音楽は聖なるもの」それが当たり前の前提である人たちの中で、安心しきってはしゃいでいた。そして巨匠達は真の人格者で、若い私に心からの励ましをくれた。佐渡の大自然というまた別の状況のなか、会話やたたずまい、態度から、人間と音楽と自然の結びつき、音楽家としてのあり方を清々しく伝えてくれた。

 「僕は何も知らない。まだまだ多くを学ばなきゃいけない。僕らはいつもあきらめないで学び続けていかなくちゃいけないんだよ。そして、音楽家は音楽という方法で、現代のおかしい社会の中で、人間のあり方を訴え続けなきゃいけない。愛こそが最も大切なものなんだよ。」
 そう熱く語ったジョヴァンニの言葉が熱い余韻を心に残している。心の中で、水遣りを忘れていた芽に、清き水をかけてくれた、そんな言葉だった。

 「自然の中にいると、靴音が聴こえてくる。ほら、あの木の緑は他の緑と違う。そして、あのくぼんだ岩、海に続く石の群。すべてタップで聴こえてくるんだ。タカタカタン、タタ、タカ・・・自然は大いなる音楽だ。僕のタップはそれを表現するんだ」
 タマンゴのこの言葉も、衝撃的だった。だから、彼のタップは色彩豊かで、力強いが、とても優しい。決して大地を蹂躙しない。大地を描く筆のようだ。
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 シルクロードを超え、海峡を超え、壮大なスケールと緻密な構成で繰り広げられた2日間の舞台を、純粋に観客として見たのち、3日目の舞台が始まる。リハーサルは当日の昼間だけ。山下洋輔さんに初めてお目にかかった。譜面のキーが違っていたというハプニングがあったものの、リハーサルのときから楽しくて楽しくて、飛び上がりそうだった。ジョビンの曲の始めを山下さんと私が即興で合わせて、それにタマンゴが踊り、ジョヴァンニのパーカッションが入る。やがては鼓童、金子竜太郎さん、ザキールもそれぞれソロを取る・・。最後はどんどん盛り上がり、倍速になり、またテーマに戻る。どうなることかと思ったけれど、マスターたちとの音のやりとり一秒一秒に心弾んだ。
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(メンバー総動員のたいへんな状況をまとめる薫さん)
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(世にも楽しいリハ!)
 
 ついに本番。3050人の観客(ECで過去最高)が見守る城山の舞台。山下洋輔さんとタマンゴの片時も目を離せない即興の後のフィナーレ、ジョビンの曲は、夢のようだった。ソロを回した後、倍速になる最後"Existiria verdade, verdade que ninguem ve, se todos fossem iguais a voce"「真実が存在するだろう、誰も見たことのない真実、すべての人があなたのようだったら」のフレーズも、薫さんの(もちろん全員の)狙い通りに決まり、会場がひとつになっていた。恍惚とした瞬間がまだ体に余韻として残っている。
 鼓童の方々の太鼓も小島千絵子さんの踊りも、藤本蓉子さん、砂畑好江さんの歌も山口基文さん、薫さんの笛も、琉球舞踊の展開も、月夜のザキール・フセインとディルシャード・カーンのインド音楽も、ジョヴァンニのソロも、すべてのパフォーマンス、コラボレーションが素晴らしくて、こんな方々と一緒のステージに楽しく立てたことに心から感謝した。世界中の素晴らしいアーティストとジャンルを超えて共演したい、そんな夢が今回思いがけなくかなった。
 そして、そんな共演を緑の芝生の上で鮮やかに解き放つ鼓童の人たちの信念の深さはすごいものだと思う。城山公園の緑の中のステージは、まったく違う次元で音楽を感じさせる。まさに大地の一部の私たちが、地球の恩恵にあずかって、広大な宇宙へと、人の心の奥底へと太鼓を打ち、音を奏でる・・。私が宇宙人だったら必ず聞きにきているはず。あの舞台では誰もスーパースターではなく、見ている人、演じる人、作っている人みんなが主人公になるのだ。
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(月刊「鼓童」10月号より)
 舞台が終わり、余韻に浸りながらの打ち上げも終わりに近づく頃、タマンゴが外に出ようと言い、みんなで出てみると、静かな夜空に雷鳴が光っていた。音もなく、光が空に舞っているのを見て、これは今日へのご褒美じゃないか、と思った。美しいエネルギーに満ちたステージだったから、宇宙は何かしらサインをしてくれているはずだ。それとも、雷の神様シャンゴーの息子ジョヴァンニが呼んだんだろうか・・。(八百万信仰の私は何でもありがたがる)。子供のように、みんなで手をつないで地面に寝そべって、幸せな気持ちで、雷鳴が走る夜空を見つめた。
 
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(ありがとう、大先輩達!!絶対に会いに行きます) 

 翌日、EC恒例行事で、帰っていく観客の皆さんの船を、鼓童が港で見送るという、カーニヴァルの「灰の水曜日」的な感動的なイベントに参加した。ぎゅうぎゅうになった船にむかって、3日間のテンションによってよりグルーヴィーになった太鼓がいつまでもいつまでも響き、踊り踊る。私も竿をもらって踊っていると、なんだかカーニヴァルのPorta Bandeira(旗持ち)になった気分で、感無量だった。あれを見た人たちは、きっと来年も戻ってきたくなるに違いない。あとで聞いた話によると、ジョヴァンニもタマンゴも船の中でパーカッションの大団円を繰り広げていたらしい。まるで宝船だ。
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 そのあと、衣装デザイナーの時広真吾さんと付添ってくれたHarcaと3人、ドライブに出かけた。今回、初の大舞台を踏む私を助けてくれたのが、時広さんの衣装だった。私が着せていただいたのは、鮮やかなターコイズブルーのグラデーションのドレス。このドレスの威力はすごい。時広さんの衣装は命があって、大舞台になればなるほど威力を発揮して強烈に青くきらめいていた(らしい)。
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(時広さんいわく、「海の女神が造らせた」ドレス  写真:八雲清麿)
 時広さんと初めてお会いしたのも、渡辺薫さんが一時帰国するときのパーティーだった。そのとき、いただいたポストカードで布が風にはためく写真を見て、これを着て歌いたい!と思い、それから2年、いつも仲良くしてくださっている。そんなご縁もあり、今回、佐渡の海をバックに写真を撮ろうということになったのだ。晴天、凪いだ海、絶好の撮影日和だった。やがて日が落ち、金色に染まる海はまさに幻想の世界だった。
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 時広真吾さんは、今、鼓童の舞台の衣装を手がけていて、どんな世界になるのか、興味津々だ。

 3か月分、いや3年分くらいの思い出と感動、インスピレーションで胸をいっぱいにして、佐渡の小木港を出港した。こんなに豊かな「祝祭」に参加できたことは、私にとって一生忘れられない体験になった。すべての出会いや再会に感謝した。
 それから少し後の8月31日には、薫さんプロデュースのイベント"Resonance"で、タマンゴのタップとデュオで「小さな空」を歌ったり、書道家の柿沼浩二さんやチェロの坂本弘道さんととても面白いコラボレーションをした。こんなふうに違うジャンルの人たちとひとつの表現をしていく挑戦をこれからも続けていきたいと思う。無限の表現の可能性・・そんな世界への扉を鮮やかに開いてくれた「祝祭」だった。
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写真:Harca
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by miomatsuda | 2007-12-09 22:40 | ◆日々雑感/Notes | Comments(0)
澄んだ冬空に思ったこと
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 今日の京都の空は澄み切っている。
 冬の透き通った青い空を見ていると、どこまでも心が透明になるよう。喜怒哀楽の情念からも開放されて、無限の空間を思い出す。燃えたつような紅葉の木々はこころのなかにチラチラと燃える炎をつくりだす。思えば、なんてたくさんの色を見落としてきたんだろう。色とりどりの絵を心に描きたい。もっと敏感に自然の色、世界の色、人間の色を感じ取れるようになりたい、そう思った。色は音と同じなのだ。色彩豊かな歌が歌いたい。
 大掃除をしていたら、ちょうど10年前に書いた高校の作文を発見。そこには「私の10年後」とあって、
「10年後、私は愛するイタリアの美しい町の大学で、歴史、語学、文化等、関心のある分野の学問を深く学び、今よりももっと鋭くとぎすまされた洞察力で、人間を、世界を観察している。・・・・10年後までに、私は様々なことを経験し、感動しているだろう。その心象を、精神から物質の世界へ送り出す能力を育んでいきたい。美しい文章や魂のこもった歌など、自己表現をし続けたいと思う。今、言えることは、「27歳の私の精神はより洗練され、心象豊かである」ということだ。」
と書いてあった。この頃はイタリアに住む夢を描いて、歌手になると思ってはいなかったけれど、人や世界と出会って感動し続けて、心象豊かな人間になりたいと思っていたようだ。10年という年月は思ったよりあっという間に経つもので、この頃、幼稚なりにも情熱を持って目指していた心象豊かな10年後の私と今の私を比べて、一瞬焦った。けれど、気付くときが成長のとき。この作文を偶然見つけたのも、「もっと頑張りなさいよ。昔から目指してきたことを思い出しなさい」という神様の導きかもしれない。勉強しなきゃ、もっともっと。
 
 最近久しぶりに読み直しているアランの「幸福論」から。
 「悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである」
 目指すは、強固な意志をもって物事を楽観視すること。毎日が楽しくなりそう!
 
 昨日は、関西で一緒にやっている川瀬さん、やーそ、そして初共演のベースの岡野さんとリハをした。岡野さんのベースが入っただけで、私が欲しかった深い音色がくわわった。なんて安心感。「四位一体」になるまでとことんこの音の世界に浸りたい。これからのライブが本当に楽しみで、来年3月には関西でたくさんライブをしようということになった。マカフェリーギターの川瀬さんと初めてお会いしたのはまだ大学生の頃で、その頃から私に振り回されてきた(笑)らしいけれど、長年の縁が縁を呼び、川瀬さんを筆頭に、素敵な音楽仲間と一緒に歌っていられるのは、本当にありがたい。そして、美しい楽曲を歌うことはなんて幸せなことだろう!
 それから、ジョアンが残してくれた編曲が、毎回のライブで生きていくんだなあと実感する。彼が書いた旋律をチェロやベースやバイオリンが奏でるごとに、なんて美しい旋律をくれたんだろう、とジョアンに感謝せずにはいられない。
 
 やさしい太陽と冬空の澄んだ青に思いっきり笑顔をおくろう。
 
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by miomatsuda | 2007-12-06 15:14 | ◆日々雑感/Notes | Comments(0)
ラジオ出演 J-Wave
J-Wave NOEVIR SAUDE! SAUDADE
「サウーヂ・サウダーヂ」でジョアン・リラが来日中に収録した番組が放送されます!
12月9日(日) 17:00~17:54 ナヴィゲーター 林奈穂
関東のみなさま、ぜひ聴いてください!
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by miomatsuda | 2007-12-03 19:59 | ◆メディア出演/TV,Radio