TRANSCRIOLLA 3 CHILE
2010年 10月 23日
南米ツアーの記録その3。
モンテビデオの興奮から一夜明け、チリへ向かう。大西洋から太平洋へ、南米大陸を突っ切っていく一直線の旅。そろそろフライトも終わりにさしかかった時、雲海の中から、アンデスが浮かび上がっていた。これには、感動で涙が出た。初めてこの景色をみた人は、きっと一生忘れないのではないだろうか・・。
リハーサルに向かう途中に、信じられない光景が!
コンサートの巨大なバナー!
これにはみんなびっくりした。顔だけで私の部屋くらい?(笑)
その下をバスは通って、サンチャゴのペニャロレン区文化センターへ。
今回のゲスト、フランチェスカ・アンカローラが来てくれた!
会ってすぐ、いろいろな話をした。最近来日していたアルゼンチンのアーティスト、カルロス・アギーレに、私のCDを聴かされたのこと、なんだかいろんな縁がつながって、とても嬉しかった。
完璧にイタリア系のフランチェスカは話し方も音楽も、温かさが滲み出ている。
チリでは国民的歌手の彼女は、カルロス・アギーレと南米の子守唄を歌った"Arrullos"やビクトル・ハラへのオマージュ"Lonquen"を世に送り出している。人間性と音楽性が響くなんとも素晴らしい作品だと思う。
翌日、町並みが世界遺産に指定されているバルパライソへ向かった。
なだらかな大地を1時間半ほど旅した後、太平洋を見たときはさすがに感激した。
本当に、反対側まで来てしまったのだ!
翌日、最終公演は、ペニャロレン区文化センター。寒い中1000人以上のお客さんが観にきてくれ、最後までじっくり聴いてくれた。
ビクトル・ハラのEl Cigarrito「巻きたばこ」やアンコールでフランチェスカとアカペラで歌ったEl Derecho de Vivir en Paz「平和に生きる権利」は、会場からの拍手がやまなかった。
ビクトル・ハラほかヌエヴァ・カンシオンの曲は両親の世代が日本語で歌っていたこともあって、今回このツアーのおかげで、そういうルーツに向き合うことにもなった。反響のあまりの大きさにチリの人々の人生と深く結びついている歌だということを、身体中で感じずにはいられなかった。
帰国後、チリ公演の400人以上のアンケートを集計して大使館の方が送ってくれたが、とても感動的な言葉の数々に、しばし言葉をうしなった。
バルパライソ大学で「チリの建国200年をなぜ祝うのですか?」と聞かれた時、スペイン人侵略の歴史やいろいろな複雑な思いが「建国200年」に関わっていることも感じた。それに対して、率直に「すべての肌の色がまじりあう大陸に生きるすべての人の歴史へのオマージュとして祝いたい」と言った。
寄せられたたくさんのメッセージを読んでわかった。観客の人たちは思ったよりもずっと深く、そんな思いを受け取って慈しんでくれた。
それは、一緒に舞台をつくってくれたウーゴ&ヤヒロの底知れぬ音楽力の賜物だ。
そして、この公演に関わる4国のすべての人々、応援してくれた皆さんに心から感謝しています。
TRANS-CRIOLLAは、まだ続きがある。
フランチェスカも、11月10日ハクジュホールの帰国公演にやってきて、一晩だけの祝祭です。
南米公演を日本の観客の皆さんにも伝えられたら、と思います!
ハクジュで待っています!
TRANS-CRIOLLA en Chile メンバー。
by miomatsuda
| 2010-10-23 14:39
| ◆旅日記/Traveler's note