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リスボンーイタリアーインペリアル

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大好きなちっちゃな煙突のある家々、パリ。今回、パリがもっと好きになった。また行きたいなあ。
でも、発たねばならぬ。明け方にリスボンへ。

 3年ぶりくらいに訪れるリスボン。
 今回はちゃんとしたデジカメがあるし、慣れ親しんだ街を撮ろう、と思っていたのに。。。ある朝、ふらりと入ってみたサント・アントニオ教会のミサの真っ最中に4人組の女泥棒に鞄を奪われ、呆然。デジカメはgone forever やっぱり、私はリスボンを写真におさめてはいけない運命?デジカメと相性が悪い?いや、運が悪い!!!!???私が悪い???!!!!!
 リスボンはあまりに心と身体に入り込んでいるので、いまさらいいや、と自分にいい聞かせつつ、リスボンの治安がかなり悪くなったと言われ、なるほど。プレゼント用のCDも入ってたのに・・とひとりごちる。もしかしたらFeira da Ladra(女泥棒市)で売られているかも。

 アルファーマへ飛んで行った。変わらないサウダーデに満ちているけれど、5年前に比べて、アルファーマのファドがもっと有名になったせいか、新しいカーザと観光客の数がとても多い。
 ほんとうにお世話になりっぱなしだったカーザ・ド・ファド、Bacalhau de Molhoのオーナー、マヌエル・バストスを訪ねた。懐かしい人たち、ほんとうにまた会えて嬉しかった・・・!!突然の訪問に歓迎してくれた。何から話していいのやら。彼は、2年前から、私の愛するディーヴァだったファディスタ、シダリア・モレイラと一緒に新しいお店Pateo de Alfamaを出していた。
 お店は、リスボンに築かれた最初の石垣が露になっていて、その塀をバックに、広場とお家があるように見せたステージ(これは見ないとわからない!vamos a http://www.pateodealfama.com/pt/ )があり、演劇的なステージが展開される。
 バイロアルトの観光客用フォルクローレとはまったく違う真剣で多岐に渡ったフォルクローレとファド。ファドも、まず、一番始めは、ならず者の中で生まれていったファドの様子がよくわかるように、売り子たちの呼び声やファディスタ同士の喧嘩から始まる劇にしたててあり、ファドのルーツを研究していた身にとっては、嬉しくてしかたない。
 フォルクローレは、ナザレの漁師歌、ケルティックな男気溢れる北部のスティックダンス、スクエアドラムで歌う女性たちからファンダンゴまで、ポルトガルの地域を網羅したフォルクローレとファドの劇場といってもいい。マヌエルは人情と感性の人だけれど、アイデアマンで、こだわるところは絶対に手を抜かない。ぜひこのお店に行ってみてほしい!
 
 アルファーマでは、ファドの舞台裏のありがちな風景の中に久しぶりに身をおき、自分がどれだけ旅をしたか、少々浦島太郎のような気分だった。もちろん懐かしいけれど。
 素晴らしい若手のファディスタ、ファービアの歌も聴けたし、センスとリズムと音色の3拍子揃ったギタリスト、ギリェルメ・バンザのポルトガルギターを聴けて、やっぱりギターラはいいなあと堪能。もちろんジョルジュ・フェルナンドもいて、私のファドも伴奏してくれた。かつて日常だった場所で懐かしい人たちに会えてとても嬉しい。
 
 さて、リスボンでは、ブラジル勢と合流。オルケストラ・インペリアルがリスボンと近郊の街でコンサートをすることになっていた。
 映画の撮影の時にメンバーと知り合い、それがきっかけで11月のサンパウロや2月のカーニヴァルでもゲストで歌わせてもらって、今はとても仲良くなったすばらしい人たち。やっぱり、オルケストラはいい。みんな凄腕ミュージシャンでとても自然な人たちだ。冗談と笑いが絶えない。私もこの最高に楽しい人たちと一緒にイタリアまで旅した。
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そして、私もゲストで、心から尊敬しているサンビスタ&ドラマー、ウィルソン・ダス・ネーヴィスとデュエットを歌った。なんという幸せ!!
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ウィルソン、ありがとう!
 ナポリは、フリーの時間、ポンペイに皆で行ったり、そしてボローニャでは裁判所広場でコンサート。控え室が審判室だったり、みんなでふざけてわいわい楽しい旅だった。写真がなくて残念。カシンのを待つ。
 
ボローニャで最後のコンサート、みんなと別れた後、フィレンツェへ。
 初めて行った外国がイタリアだった私は、子供の頃から、フィレンツェが好きでたまらなくて、今回は3日たっぷり歩き回り、ミケランジェロの彫刻に涙し、メディチ家の超贅沢で洗練された聖堂で思いをめぐらせてた。

 ルネサンスに到達した国はすごい。人間のことがわかっている。中世の抑圧された表情の宗教画を通り越して、柔かな内側から溢れる表現を始めた人たち。ギリシャ神話の自由で人間らしい世界の精神の根源へ戻り、神の名でごまかさずに、人間をみつめ、そこから爆発的な発明、芸術を興した人たち・・。今、見習うことがたくさんある。人はそれぞれの根源を見つめた時に、豊かに実り、先に進めるのだと思う。そんなことをあらためて思った。
 
 書ききれない感動や思いが溢れ出た1ヶ月でした。
 招待してくれたリカルドたち、出会った人たちにありがとう!!!!
by miomatsuda | 2009-07-25 01:16 | ◆旅日記/Traveler's note

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